76歳の宮崎駿監督は新作映画のアニメ製作をどんな心境ではじめるのだろう?
どうも。ジブリフリークのオニペタです。
数日前、個人的にめちゃくちゃ嬉しいニュースが飛び込んできました。
引退宣言をしてた宮崎監督が「引退撤回」を発表して、新作長編アニメに取り掛かるってこと公式に発表したんですよ。
いや〜、もうさ、
涙ちょちょぎれるほど嬉しいんですよ!
素直に「待ってました!」って言いたい。落語の如く。
鈴木敏夫プロデューサーのラジオで「宮さんが新作の絵コンテを描いてる」って話は知ってたんだけどさ、こうやって公式発表が来ると「マジだったんだ」って現実味が出てくる。
全身全霊で応援したいと思ってる次第です。(まぁ何もできないけど…)
ネットの声を見てみると
http://25.media.tumblr.com/402a0ea20ee22148a54e30826747cac5/tumblr_msh22rbpve1qbktuzo1_500.jpg
そんな手ばなしで喜んでる自分なんだけど、みんなの反応はどうなんだろ?って気になって色々のぞいてみた。
ほほぅ。結構みんな辛辣なのね。
要約すると、
- 「何度目の引退撤回だよ??」
- 「給料安すぎじゃね?」
- 「宮ちゃんやめへんで〜」
とかね、ネガコメ言う人が何気に多いんだな〜って印象。(最後のは違うか)
ただまぁ、引退宣言ってことでいえばね、
たぶん毎回言ってる気がするのよ
実は「紅の豚」あたりから言ってたと思う。
「もののけ姫」でも言ってたし「ハウルの動く城」「風立ちぬ」でも引退を示唆してる。(風立ちぬでは公開前に引退記者会見までしてた)
でもね、これってその時の正直で真摯な気持ちだと思うわけです。
だってぶっちゃけ、引退とかあえて言わなくてもいいわけでしょ?
シレっと辞めることも、続けることもできる。
ただ、宮崎駿という人は自分に求められてることを真正面から受け取ってて、それに一種の使命や責任を持ってる。(ように感じる)
だから毎回律儀に発表してるんだと思うわけです。ホント真面目な人なんだよ。たぶん。
アニメーターを募集する挑戦
以前、鈴木プロデューサーのラジオでぽろっと聞いた話なんだけど、宮崎監督が引退を発表した理由の一つが「アニメーターがいない問題」だったらしい。
優秀なアニメーターが減ってて、作りたくても作れないという現実も引退に向かわせた理由の1つだったと。
描く人が足りなきゃ作りたくても作れない。うん。そりゃそうだ。
ただね、ジブリ最新作の映画「レッドタートル ある島の物語」を観た宮崎監督は、
こんなに描ける人いるの??
って正直度肝を抜かれたらしい。
で、そんな人いるなら俺も作れそうじゃん!という心理になったんだと思う。1人のアニメーターが宮崎監督を動かしたってことよ。凄い話だなぁ。
ただ、アニメーターの給料はどこも低賃金。さらに長時間労働は避けられない。
でもね、
サラリーマンとは目指すところが全然違うわけじゃん!
例えば売れてない芸人とかアーティストが「忙しいの嫌だわ〜」「でも人並みの固定給くれよ〜」って言ってたらおかしいでしょ?
まぁ、給料云々とかブラック企業ガーってネットで騒いでるのは多分アニメーターじゃないと思うけどね。
外野があーだこーだ一般的な企業と同じ感覚で比べても全く意味がないよね。
リスクを取るということ
3年もの間、多くの時間を拘束する。そして、そのあとにどーなるか?なんて保証は一切ない。
この感覚が肌に合わない人も多いと思うけど、
ただね、それならどんな募集だったらいいの?って疑問も同時に浮かんだ。
- ジブリ専属アニメーター正社員募集
- アニメーターから監督へのステップ有り
- 年収600万円以上保証
- 残業なし
こんな募集だったらめちゃくちゃ殺到するのかな?現実的にありえないけどね。
でもさ、もし仮にこの募集が可能な状況だったとしても、これで「優秀な」アニメーターが集まるかは甚だ疑問。いや、自分は来ないと思う。
持論なんだけどね、本当に優秀な人って
めちゃくちゃ「リスクの取り方」が上手くない?
自分を追い込んで成長を促すって感覚が自然に身についてる。だからこんな甘ちゃんな募集要項じゃ魅力を感じないだろうね。
それこそ、アニメーターとか生み出す系の職業の人が「安定」なんて手に入れたら、そこで成長は止まっちゃう。(少なくとも遅くなると思う)
だから、優秀な人ほどリスクの大切さを知ってるし、多少危ない橋でも「攻め」の姿勢で挑戦するんだと思うなぁ。
そもそも、宮崎監督自身がリスク大好きだしね。キングオブリスク!
有名な製作方法として、ストーリーの結末が決まらない状態で作画に入っちゃう「連載漫画スタイル」だって前代未聞でとんでもないこと。
これをずーっと続けてリスクと向き合ってるわけです。自らリスクを課してそれをコントロールするって強靭な精神力が必要だと思うなぁ。
年齢について
宮崎駿監督は現在76歳。映画が完成する予定の3年後は79歳になってる計算。
この歳から3年もかけて「新しいことを1からはじめる」という心持ちがどういうことなのか想像するのは非常に難しい。何故そんなモチベーションが湧いてくるんだろう?
1つ言えるのは、年齢的に「死」という現実は確実に意識してるということ。
でね、ちょっと考えたんだけど、ここでも宮崎監督は新たなリスクに挑戦してるのかもしれません。
そう。
「3年以内に寿命が来て映画製作がストップしまうリスク」を自らに課してるはず。
もう究極だよね。ここまで挑戦的な人生を送れる人は滅多にいない。
多くの人から待ち望まれて、多くのスタッフを抱えて、壮大なるリスクに立ち向かう。凄い話です。
まとめ
自作が宮崎監督の「集大成」であることは間違いなさそうです。
もちろん、作品の中身が気になるところなんだけど、製作過程の中で宮崎監督が何を思い、どんな心境でこの映画に取り組んでいくのか・・・この側面も非常に気になるところです。
誰しも「老い」が訪れる中で、どうやって最期に立ち向かっていくか。
この問題の答えを、映画を通して宮崎監督が教えてくれそうな予感がしています。
ということで、今日はここまで!